2017年 関西多読指導者セミナー

10:00-10:30 受付

【午前の部】
10:30-10:35 開会の辞    釣井千恵(桃山学院大学)

司会: 松田早恵 (摂南大学)
10:35-11:15 英語運用能力を向上させる多読の力              高瀬敦子(関西学院大学・非)
11:20-12:00 多読用図書と活用例                   西澤一(豊田工業高等専門学校)
12:05-12:45 英語絵本リーディングでつける思考力、表現力   宮下いづみ(Eunice English Tutorial)


12:45-14:00 昼食 (出版社展示図書)

【午後の部】          司会: 赤尾美和(近畿大学・非)
14:00-14:40 中3男子も夢中になる多読の魅力
        ~四技能と英語のセンスを高める授業実践~    西山哲郎(東大寺学園中・高等学校)
14:45-15:25 学校レベルに合った多読方法 安福勝人 (武庫川女子大学附属中学・高等学校)

15:25-15:45 休憩 (出版社展示図書)

司会: 大槻きょうこ (奈良県立大学)
15:45-16:25 ER vs. TOEIC―ライティング力を予測できるのはどちらか  桜井 延子(京都産業大学)
16:30-17:10 多読を軸とした学習がもたらすポジティブな変化と多読図書の魅力   国重 徹(鹿屋体育大学)
17:10-17:40 質疑応答                        司会: 魚住香子 (神戸国際大学)

17:40-17:45 閉会の辞

18:00-20:00 懇親会@聖ペテロ館5F 会議室6・7





発表概要


英語運用能力を向上させる多読の力

高瀬敦子(関西学院大学・非)

現在の英語教育は高校・大学への入試合格を目的とし、主に正確さを求める英語教育であるため、中高で6年もの間英語学習を行っても言語としての英語力が身に付いていない。英語運用能力を向上させるためには、大量のインプットを行うことにより、4技能の流暢さを向上させる必要がある。その基本となるものが多読である。ここでは教室で多読を導入し、成功に導く効果的方法を、これまでの様々な多読指導者の実践を基に説明する。


多読用図書と活用例

西澤 一(豊田工業高等専門学校)

多読授業でよく用いられる英文図書(GR, LR, 絵本、児童書、一般小説)を、種類、レベル、ジャンル等の特徴から、シリーズ毎に分類し、その活用例とともに紹介します。


英語絵本リーディングでつける思考力、表現力

宮下いづみ(Eunice English Tutorial)

海外の絵本を用い、楽しく町の英語教室で児童と英語に触れていくレッスン報告です。英語の絵本やリーダーは、英語力をアップできるのみならず、海外の文化や習慣など、生活そのものも学べて有益です。幼稚園児から大学生までが通う当教室での、英語絵本の取り入れ方、児童の英語多読の様子、保護者の反応、効果など、ありのままをお知らせします。児童と共に歩んでいく英語多読の魅力を、実践例を示しながらお伝えします。


中3男子も夢中になる多読の魅力~4技能と英語のセンスを高める授業実践~

西山哲郎(東大寺学園中・高等学校)

中2から週1回の多読授業を始めました。自らもORTなどの児童書を低いレベルから楽しみながら読み、多読の効果を実感した上で、授業での導入に踏み切りました。その結果、様々な面で多読の効果が表れ始め、生徒たちの変化に驚いています。良質なインプットが保証し、英語のセンスを磨くことができ、同じく授業内で実践している多話多書に有機的に結びついている多読。従来の指導方法を大きく見直し、4技能をバランスよく高める授業を実践するおおきなきっかけ、そして軸となっている多読の魅力をあますことなくお話しします。これから多読をはじめようとお考えの中高の先生方のお役にも立てると思います。


学校レベルに合った多読方法

安福勝人 (武庫川女子大学附属中学・高等学校)

有名進学校だけに活用できるのが多読ではない。読書はそれぞれのレベルで独自に実施すべきである。実際に多読をどのように取り扱うかを考えてみたい。


ER vs. TOEIC ― ライティング力を予測できるのはどちらか

桜井延子(京都産業大学)

近年、多くの大学がプレイスメントテストやアセスメントテストとしてTest of English for International Communications Listening and Reading Test (TOEIC) を導入している。一方では、ライティングにおける多読の効果に関する研究が数多く報告されている。多読とTOEICはどちらも受容能力に関わるものであるが、どちらの方がライティング力をより正確に予測することができるのか。本発表では、157名の大学2年次生のライティングテストの結果と多読量、TOEICの結果を様々な角度から統計的に考察する。また、読まれた多読図書の記録から多読の質についても言及する。


多読を軸とした学習がもたらすポジティブな変化と多読図書の魅力

国重 徹(鹿屋体育大学) 

発表者は工業高等専門学校で4年、看護専門学校及び大学で3年ほど多聴多読指導を行ってきました。本発表では、多読・多聴をベースとした学習によって見られるポジティブな変化を、①学習者の学習態度、学習効果、情意の面、②その他の英語に関する活動の面から紹介します。また、これらのポジティブな変化の源ともいえる多読図書の魅力の一部を英語母語話者用に書かれたLeveled Readers、絵本、児童書を中心に具体例を示しつつお話しします。