2023年度年会は終了いたしました

日時: 2023年10月8日(日)終了いたしました。
会場:
お茶の水ソラシティ 1階 RoomC


プログラム-----------------------------


9:30~ 開場・受付開始

9:55~10:00 開会・会長あいさつ


10:00~10:30 実践報告 森山徳之(慶應義塾志木高等学校)
多読がエッセイライティングに与える影響

私立男子高でのオンライン及び実物の本の両方における多読の実践及び、読語数とエッセイライティングにおける語数の伸びについて報告する。

10:30~11:00 研究発表 竹村雅史(北星学園大学短期大学)、廣森友人(明治大学)
多読は何故支持されるのか?―多読と自己決定理論との関係性―

公開映像
学習者の内発的動機付けが高まる条件として、自律性、有能性、関係性の3欲求の充足が想定されている(廣森:2006)。自己決定理論では、これらの欲求が満たされた場合、学習者は内発的動機によって学習課題に積極的に取り組むようになるとされている。多読が読み手(学習者)から支持されてきたものとは、なんなのか?多読の魅力として「読みたい本を自分で決めて読める」(自律性)「薄い本だが1冊を読み切った」(有能性)「授業内で皆真剣に楽しく読んでいる」(関係性)等が挙げられる。多読の魅力と自己決定理論を支える3欲求とは親和性があるように思われる。短大1年生70名にアンケートを実施し、多読と自己決定理論との関係を探ってみた。

11:00~11:30 研究発表 藤井数馬(長岡技術科学大学)
中学校における適切な多読図書レベルの研究―語彙の観点から―

本発表は、中学校の英語教育に多読を効果的に導入するために、適切な多読図書のレベルと種類を語彙レベルの観点から探究したものである。本研究では、中学校検定教科書3種類3学年分(約3万語)、およびGRとしてOBW、MMRなどのうちYL 0.1~1.0の図書(約13万語)、LRとしてORTなどのうちYL 0.1~1.0の図書(約13万語)をコーパス化した上で、New Word Level Checkerを用いて、語彙レベルの観点から既知語カバー率が95%, 98%になる水準を比較分析した。本研究の結果、GRのYL 0.5~1.0の図書が語彙レベルの観点から中学生に多読用として適切であることが分かった。

11:30~12:40 基調講演
古川昭夫(科学的教育グループ・SEG)
長期間多読指導の効果と注意点
(クリックで動画ファイルが開きます)
発表資料(PDF)
QA公開資料(PDF)

多読指導は、半年よりは1年、1年よりは2年、2年よりは3年と長期間継続的に行う方が効果が高い。発表者の主宰する塾では、中1から高3まで約2000人が多読を軸として英語を学んでいる。同じ多読指導といっても、中1、高1、高3では注意すべき点が異なる。各学年ごとの継続生・新規生に注意していることを紹介し、その経験を参加者と共有したい。


12:40~13:20 昼食(個人持ち込み、会場内飲食可)

13:20~14:00 賛助会員様による多読図書・サービス紹介
Nellie’s English Books(6分)
コスモピア株式会社(6分)
XLearning Systems(6分)
株式会社トライアログ・エデュケーション(3分)
株式会社mpi松香フォニックス(3分)
スカラスティックジャパン(3分)
株式会社ドリームブロッサム(3分)
ピアソン・ジャパン株式会社(3分)


14:00~14:30 実践報告 オサリバン メアリー(Osaka Prefectural Kitano High School)
Motivating High School Students to Read the Required Amount and More

Students in Kitano High School have been successfully doing extensive reading by using Xreading for 5 years. When using a limited paper library, students were reading an average of about 20,000 words a year. By using Xreading, students are now required to read 180,000 words a year. 70% read this amount, while 91% read 100,000 words. The student who read least, read 32,000 words, which is still much more than when paper books were used. Last year, 8 students read over 2,000,000 words, including one student who read 4,200,000 words. However, assigning reading is not enough. Paul Nation in his book, 'What Should Every EFL Teacher Know', recommends various methods to motivate students including telling the value of extensive reading, rewarding and praising those who read a lot, and displaying records. In this presentation, various methods used by the teacher to encourage and motivate students are looked at.

14:30~15:00 実践報告 吉田弘子(大阪経済大学)
授業外で200万語の多読を達成した大学生への指導事例

公開映像
本発表では、授業外で200万語を超える多読を達成した大学生への指導事例について報告する。学生は易しい英語本から多読を始め、その記録を自発的に発表者にメールで送付した。発表者は送られてくる多読記録へのフィードバックをメールで返す方法で指導を繰り返した。学生の多読記録提出は9回に及び,3か月で約16万語,6か月で40万語,1年で140万語と読み続け,1年4か月後には2,191,609語(YL2.6レベル)を読了した。その結果,5000語の長さの本であれば2冊程度まで一気に連続して読了できるようになった。発表では、学生の多読の進捗に応じてどのような多読指導を実施したのかを実際のメールを交えて報告する。

15:00~15:30 研究発表
髙瀬敦子(岩野英語塾)、吉澤清美(関西大学)、大槻きょう子(奈良県立大学)
英語力の伸びを測る "EPER PPT"

EPER PPT(Edinburgh Project on Extensive Reading Placement /Progress Test)は、多読開始時に読む図書のレベルと、多読後の英語力向上を測るクローズテストである。問題の英文は絶版になったGraded Readers から抽出され、EPER (A)は12のパラグラフで、全141個の空所埋め問題になっている。このテストの各空白に正答するには、言語に関する知識のみならず語用論的能力、つまり統語、文章の一貫性、文脈に基づく総合的な英文理解の力が要求される。ここではテスト結果で判明した、小中学生・大学生・大人の多読学習者の、どのような英語力が向上したかを述べる。

15:30~16:00 実践報告 鬼丸晴美(大阪医科薬科大学高槻中学校高槻高等学校)
世界に拓いた英語教育を包括する多読授業の実践

Becoming a Self-Directed Learnerを目指し、提供する学習環境、授業形態から、各自の学習環境、学習スタイルを追求できることを意識した授業の実践。リベラルアーツを意識し幅広い書物から得る知識・知恵の自覚が各自の学びと成長を促し納得できる機会を意識した授業展開。ギガスクール構想を踏まえ、多読授業学習形態の模索をし、生徒自身が自分の学びに責任を持てるベースを築くために、徹底した紙媒体の英和辞典の読み込みでバランスを意識する。自身の頭で考え決断し臨機応変な行動で世界との精神的距離を縮め、これから進む様々な分野での学びの基礎を培う。

16:00~ 事務連絡(報告集について)・閉会のあいさつ

16:10~16:30 総会
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