2020年 日本多読学会 年会(終了)

JALT のER-SIG(Extensive Reading Special Interest Group)との共催

日時 8月22日(土曜)午前9:40から午後6時頃

全体の発表内容はこちらの合同セミナーホームページに掲載してあります。




年会のご報告

2020年度の日本多読学会年会は8月22日(土)、JALTER-SIGExtensive Reading special interest group)との共催でオンライン開催となった。ハワイ大学のリチャード・デイ教授(Dr. Richard Day)を基調講演者として迎え、ハワイよりZOOMを利用してライブ講演をしていただいた。多読学会においては60分のワークショップが1名、30 分間の研究発表・実践報告が6名、書店・出版社等、賛助会員7社による自社教材・サービスの紹介セッションが行われた。また「多聴多読マガジン制作の舞台裏」というテーマで、雑誌編集者による30分間の特別講演を行った。参加者数は、学会ホームページからの事前申し込みは90名(会員67名・非会員23名)であったが、参加者実数はER-SIGとの共催のため把握できない。共催ホームページへの参加登録者は当日朝270名となっていたが、最も参加者の多い基調講演中の聴衆は最多155名であった。すべての発表終了後、総会が行われ(会員出席者17名)、前年度決算、本年度予算案について満場 一致で承認され、続いて本年度新役員人事について報告があった。以下、多読学会会員の発表と基調講演について記す。

 

9:50-10-50ワークショップ
古川 昭夫(SEG
オンライン多読システムの利点と欠点、改善の方向性
Oxford Reading Club, X-Reaeding,eSTATION, myON,Bookflix,Trueflix, Literacy Pro Library など主要な On Line システムを比較検討するとともに、システムを利用した多読指導の工夫、システムの改善要望について幅広く意見の交換・集約を行う。オンライン多読システムに関す資料。https://jera-tadoku.jp/ER_ONLINE/index.html


11:00-12:00 Keynote Speech
Dr. Day (University of Hawaii)

Extensive Reading in Practice
Abstract:     The focus of my presentation is on how extensive reading is actually used in second and foreign language (L2) contexts and its impact. I begin with a brief overview of extensive reading in which I discuss the history and nature of extensive reading. Next, I go over the ten principles that my colleague, Julian Bamford, and I formulated from our analysis of successful extensive reading programs. This is followed by a discussion of the findings of a study on the practice of extensive reading and the extent to which the 10 principles were reported to have been used. I then go over the effects of extensive reading on L2 learning. My presentation concludes with some speculation on the practice of extensive reading in the near future.


12:10-12:40 実践報告
サム・マーチー(尚絅学院大学)
ZOOMブレイクアウトセッションを使ったグループ多読の結果
ZOOMブレイクアウトセッションを利用して、学生を4~5人のグループに分けた。Eステの読了後リーディングクイズ、自作のクイズなど、多読図書を利用した様々な活動をグループ単位で取り組んでもらった。対面授業の個別多読と比較して、メリットと課題を報告する。


13:20-14:00 出版社・オンライン多読システム提供各社による自社サービスの紹介セッション


14:05-14:35 特別講演
「多聴多読マガジン・制作の舞台裏」
コスモピア(塩川・立花)
2006年に創刊し、「たくさん聞いて」「たくさん読んで」「たくさん口を動かす」をコンセプトに、例年多読やシャドーイングを紹介してきた「多聴多読マガジン」。この発表では「多聴多読マガジン」編集チームが、掲載素材を選ぶ際の基準や飽きずに楽しんで英語を聞き続けてもらうために大事にしていること、またオンライン多読システム「Eステ」とのコンテンツ連携の展望などについて語る。


14:40-15:10 実践報告
吉田弘子(大阪経済大学)
音声ペンを利用した多読多聴指導
大学での多聴を併用した多読の取り組みを紹介する。クラスでは学期の多読目標を50000語(うち多聴10000語)以上に設定し、100冊の易しい本の多読を実施したあと、ORT音声ペンを用いた多聴を多読と併用した指導を実施した。その結果、最後までクラスを受講した学生20名全員が目標語数を達成することができた。発表では、クラスでの具体的な指導方法や学生のフィードバック、今後の課題などについて報告する


15:15-15:45 研究発表
藤井数馬(長岡技術科学大学)
半期間の英語多読指導を通して見られた自由英作文の質的変化
本研究では、半期間の多読授業で平均約6万語を読んだ学習者を対象に、多読指導前後自由英作文を行い、語彙(Type-Token Ratio)、統語(T-Unit数、Error-Free T-Unit数)、流暢性(書いた語数)の観点からその質的変化に関する分析を行った。その結果、多読指導後では、自由英作文において統語的にも語彙的にも平易なものをより多く使うことで、流暢性を増す傾向が見られた。


15:50-16:20 研究発表
上村明英(静岡文化芸術大学)
英語多読を通して世界の文化を知るために
英語多読学習者は、どの国や地域を題材、もしくは舞台にした本を読んでいるのだろうか。学習者へのアンケートと英語多読教材の調査結果を報告するとともに、多読を通して世界の文化と多様性を学ぶために考慮すべき点について考察する。


16:25-16:55 研究発表
須賀 晴美(帝京大学)
電子書籍を利用した多読プログラムの読解力と情動に関する効果
The purpose of this study was to evaluate the effects of a one-semester e-book extensive reading program on 72 university EFL learners. Specifically, the improvement of the participants in reading comprehension and the changes of their affective variables were examined. E-book reading had been conducted for 30 minutes per class. To determine the improvement in reading comprehension, different standardized tests were given and affective variables were examined using two questionnaires. Consequently, the average test score improved, but the difference was not statistically significant. Concerning affective variables, the results showed that negative feelings about reading disappeared with statistical significance.


17:00-17:30 実践報告
宮本 恵理子(桐蔭学園高等学校)
オンライン授業による多読指導の一例
4月から6月までの3か月間、本学園の3つの高校の1年生全25クラス約1000人の生徒に対してロイロノートと無料多読サイトを使い、オンライン授業で多読指導を行った。多読の説明、やり方、本の紹介などの授業動画を作成し、ロイロノートで生徒に配信。生徒はそれを見て、指定された本を多読サイトで読み、読書記録をロイロノートで画像提出し、教師はその記録をチェックし、生徒に画像で返却というやり取りを行った。

17:30-17:45 閉会のあいさつ

17:45-18:00 日本多読学会年次総会